東ティモールのカカオに出会う旅 〜プロローグ〜

更新が遅くなってしまいましたが、10月下旬に東ティモールのカカオ農園を視察してきました。

高校生のときに東ティモールに出会い、その魅力に惹かれて以来、私はこの国のことを誰かに伝えながら生きていきたいと願うようになりました。
そんな私にとって、仕事として東ティモールを訪れることは、長年の夢でした。
その夢が、カカオレート・ラボの活動を通じて叶ったことを、本当にうれしく感じています。

東ティモールの空港にて

コーヒー好きの方の中には、「東ティモール」という国名を耳にしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
独立後、石油資源を除いて目立った産業のなかったこの国では、コーヒーの品質向上を目指して、長年にわたる支援活動が行われてきました。
その積み重ねによって、東ティモールは「おいしいコーヒーの国」として少しずつ知られるようになってきたのです。

コーヒーは、農家の暮らしを支える作物として定着してきました。
けれど、国全体の経済を支える産業という視点で見ると、コーヒーだけでは限界があるという課題も見えてきます。

そこで今、新たに注目を集めているのが、コーヒーと似た環境で育つ「カカオ」です。
カカオ栽培を通じて、農業の多様化と新たな産業づくりを進めているのが、今回私たちがご一緒しているNPO法人パルシックさんです。


パルシックさんとのご縁は、2022年の夏、まだカカオレート・ラボがオープンする前に始まりました。
高校生のころから東ティモールに強い関心を持っていた私は、「コーヒーが育つ場所なら、きっとカカオも育つはず」と考え、調べていたところ、パルシックさんがアグロフォレストリー事業としてカカオ栽培を行っていることを知りました。すぐに連絡を取り、やりとりが始まったのがきっかけです。

当時は、ちょうどカカオの苗を植えたばかりの時期で、収穫までは数年かかる見込みでした。そのため、いったんは保留という形になりました。
それから約3年後、再びパルシックさんからご連絡をいただき、今回のプロジェクトが動き出すことになったのです。


東ティモールは、カカオ栽培に適した土地ではあるものの、まだその栽培が一般的とは言えません。
コーヒーは、長年の支援によって「育てれば必ず買い取ってもらえる」作物として定着しましたが、カカオにはその仕組みがまだ整っていないのが現状です。
せっかく苗を植えても、買い取り先がないために、苗を切ってしまう農家の方も多くいらっしゃいます。

さらに、カカオはコーヒー以上に収穫後の加工が重要です。
発酵などの工程を適切に行わなければ、本来の風味が引き出せません。
それにもかかわらず、現在は十分な知識や設備が整っておらず、発酵をはじめとしたプロセスを経ないまま、安価で取引されてしまうことも少なくありません。

こうした課題に対して、今回のプロジェクトでは、パルシックさんが現地でのカカオ栽培の支援や、収穫後の加工指導、輸出の手配を担ってくださっています。
私たちは、チョコレートづくりの専門家として、より良いカカオを育てるためのフィードバックを行い、輸出されたカカオ豆の買い手となることで、売り上げに貢献しています。


これから、このプロジェクトがどのように育っていくのかを見守りながら、私たち自身も学び、関わり続けていきたいと考えています。
次回は、現地での出会いや風景、肌で感じたことを少しずつ綴っていきますので、どうぞ楽しみにしていてください。

ナタルボラ農業技術学校の先生と

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